西アフリカの最貧国ギニア・コナクリでの日本語教師生活①

ギニア

アジアやアフリカの貧しい国の中での日本語教育といえばJICAの青年海外協力隊などをイメージされる方もいらっしゃるかと思いますが、ギニアはJICAさへオフィスを構えられないほどのひどい生活水準の最貧国です。

2013年から2014年のエボラ出血熱が発生し退避帰国を余儀なくされるまでの現地での日本語教師日記をまとめていきたいと思います。

最貧国の教育現場

私がここギニアの首都コナクリで日本語教師を始めたのは、とある私立の学校が日本語教員を探していると知人が教えてくれたことがことがきっかけでした。

知人とはそれまでの世間話で私が日本語教師の資格を有し、フランスのリヨンの日本語学校でStage(スタージュ)と呼ばれる研修をし、パリの日本語学校でも日本語を教えていた経歴があることなど話していました。

紹介を受けたのはコナクリ3大私立学校の1つである私立マハトマガンディ学園です。こちらの学園は中・高・大の一環教育の学校でギニアの中でも比較的裕福なギニア人が在籍する学校です。

学校理事および学部長と授業について話を進める中で、中・高・大のすべての学生に授業をしてもらいたいとの要望がありました。しかも、その場で「必修科目にしよう」となり急遽日本語が全学生のカリキュラムに組み込まれることとなり約400名への日本語の授業がスタートしました。

学生

こちらの学校は基本的に富裕層の家庭の子供たちで、その他の授業もフランス語で受けていることからフランス語での授業に支障はありません。日本のことを聞いてみるとナルトやワンピースなどがギニアでも人気があるようで、さすが日本のポップカルチャーと感じた次第です。

クラスの人数は20人前後のクラスから70名を超すクラスまで様々で、当然学生の日本語への興味関心も様々でしたが、おおむねみんな意欲的に授業を聞いています。

しかしながら、勉強スタイルはノートにメモする学生は少数で、みんな大声でリピートして覚えるスタイルです。しかし、このスタイルでは落ち着いた授業にはとうていならず、常に騒がしい中話をしなければなりません。当然学習効率も落ちるため、しっかり理解しているのはクラスに数名です。

そして、授業の回が進むにつれ目新しさが薄れ、だんだんと授業を聞かない学生も増えてきます。

教職員

教員は科目ごとの専門に分かれて担当教員がいます。他の教員の授業は聞いたことはありませんが、学校には実験室などもあり化学などの科目もあるようでした。

どの教職員も学生とはフランクに接していて雰囲気の良さは感じていましたが、どうしても納得のいかないことが学校内の汚さでした。

ギニアはポイ捨てが多く町がゴミだらけです。学校の敷地内も同様にゴミが散乱していて、その原因は教職員・学生のポイ捨てです。

教職員が昼食のごみを昼休みで遊んでいる学生の前で平気でポイ捨てをします。私がそれを注意すると、自ら拾うのではなく近くの学生に拾ってゴミ箱に入れるよう指示するのです。

さらに、ある日教員室前に学生の行列ができていて何事かと尋ねると、外で待つように言われているとのことでした。中に入ってみると対応すべき学部長がパソコンゲームに勤しんでいて学生を外で待たせている状況でした。

これら現状をありえないと指摘すると、「これが我々の日常であって何がおかしいのか自分たちでは気づけない。気づいたことがあればどんどん指摘してほしい」と言われ、最貧国の教育現場の現状を理解しました。

生徒指導

中学・高校の授業時間は月曜日から土曜日までの朝8時から午後2時までで、金曜日は午前中のみ日曜日は休みとなる。学校の時間中は外出は一切できず、門の前では門番が常駐している。

授業中の校舎徘徊や教室内での飲食は禁止されているようで、ルールを守らない学生は生徒指導員から注意がある。はじめは口頭注意と廊下に立たせるというものもよく見かけた。再三の注意にも更生が見られない学生にはゴムチューブでお尻を叩く体罰があった。

その時は男子高校生がその懲罰を受けていたのだが、お仕置き後半べそをかいていた様子からも相当痛かったのだろうと察することができた。

給与

現地の講師の当時の給料は時給42,000ギニアフラン、現在のレートで約700円ほどで、月収は2万円弱、年収は単純計算で20万円に満たなかったと思います。現在の平均年収は30万円ほどのようなので、給与水準は上がってきているように思われます。

*参考資料はこちらから

私は給料はいただかず、現地までの交通費(自家用車のガソリン代)のみいただいていました。

学校での食事やトイレ

食事は昼休み時間になるとおばちゃんたちがお弁当を売りに来ます。それを購入するか自宅から持ってくるかで教職員も学生も昼食をとっていました。

トイレは教員と学生は別トイレとなっていて、どちらも水洗トイレがありました。ただ、やはり日本のようにきれいなトイレではないです。

まとめ

ここではは学校の大枠の様子をまとめてみました。世界中でおこなわれている日本語教育ですが、先進国と途上国の違いでも教育の現場は大きく変わります。

西アフリカに位置する最貧国のとある学校での日本語教師日記として、途上国での日本語教育に興味のある方の参考になればと私の経験を少しではありますが紹介していきたいと思っています。

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